小4のわり算の筆算で、手が止まるとき
2けたでわる筆算で
つまずく4年生へ止まる場所は「見当」「直し」「ひき算」
公開 / 文:けいさんパパ(運営:SSR株式会社)
1けたでわる筆算はできていたのに、わる数が2けたになったとたんに手が止まる。商を書いては消し、書いては消して、1問にずいぶん時間がかかる。やっと答えを出したら、ひき算で間違えていた。
「わり算が苦手」とひとまとめにせず、止まる場所を3つに分けると、何を練習すればいいかが見えます。
この記事では、2けたでわる筆算がどんな手順でできているか、お子さんがどこで止まっているかを家で見分ける方法、そこからの進め方を書きます。
01 / 筆算のしくみ
わり算の筆算は、
いくつもの計算の複合技
分解して考えたら、複合技でした
わり算の筆算は、難しい計算です。小学4年で習いますが、分解して考えると、複合技でした。かけ算の暗算と、ひき算の暗算。それに加えて、見当をつける。この見当が大事だと思います。
見当と確かめ算が頭の中でできると、ものすごく楽になる
特に、①見当を立てることと、②確かめ算を暗算でできること。この2つができるようになると、筆算はものすごく楽になります。
逆に、この2つが頭の中で処理できないと大変です。1つのわり算の問題を解くのに、別の場所にかけ算の筆算を書き始めたりします。①の見当が的外れだと、②が爆発的に増えてしまいます。②ができないと、紙がかけ算の式だらけになったりします。
ですので、①と②を特に鍛えるのが大事だと思っています。
152÷24を、順に解いてみる
- たてる。15は24より小さいので、十の位には商が立ちません。一の位に立てます。24を20とみて、150÷20から、7くらいと見当をつけます
- かける。24×7=168。152より大きくなりました
- 直す。7は大きすぎたので、1つ小さくして6。24×6=144
- ひく。152−144=8。8は24より小さいので、これで答えです。6あまり8
商が2けたになる問題では、このあと「おろす」が入り、同じ手順をもう一度くり返します。
02 / つまずく場所
つまずきやすいのは、
見当・直し・ひき算の3か所
① 商の見当がつかない
84÷21なら、21を20、84を80とみて、80÷20。0を消せば8÷2で、4と見当がつきます。ここで止まる子は、「なん十でわる」計算か、九九を逆から使う計算に時間がかかっているのかもしれません。
もう1つ、最初にどの位に商が立つかも確かめます。152÷24で「1÷24はできない、15÷24もできない、だから一の位」と順に見られると、商を書く場所で迷わなくなります。
② 商を直せない
見当は、はずれることがあります。はずれたときの見分け方は2つです。
- 大きすぎるとき:かけた答えが、わられる数より大きくなってひけません。商を1つ小さくします。84÷14は、14を10とみると8。14×8=112で84より大きいので7に、14×7=98でも大きいので6に直します。14×6=84で、答えは6です。
- 小さすぎるとき:ひいた答えが、わる数と同じか、それより大きくなります。商を1つ大きくします。78÷26は、26を30とみると、80÷30で2。26×2=52で、78−52=26。わる数と同じなので3に直します。
何度か直す問題は、よくあります。はずれると「間違えた」と感じる子には、見当ははずれて当たり前で、直せばいいと先に伝えておきます。
③ ひき算でまちがえる
商が合っているのに答えが違うときは、ここを見ます。152−144のように、繰り下がりのあるひき算が途中で出てきます。かけ算の答えの書き間違いも、あわせて見ます。繰り下がりそのものであやしいときは、繰り下がりの記事に戻ります。
03 / 見当のコツ
見当は、棚に箱が
何こ入るかで考える
わり算は、棚に箱が何こ入るかと同じです。わられる数が棚の長さ、わる数が箱の幅です。この形で見ると、コツは3つにまとまります。下の図は、お子さんと一緒に押して試せます。
ポン吉の 棚と箱計算ダンジョンの屋台「見当屋」の店主です
コツ1:数が大きくても、やることは同じ
21÷9、210÷90、2100÷900は、どれも同じ絵になり、商はどれも2です。213÷90なら一の位を指でかくして、21と9を見ます。1けたのわり算で、大体の見当がつきます。
コツ2:ややこしい数は、近い数に寄せる
29は大体30、178は大体180、というように、頭の中で計算できる数に直します。お子さんには、「29は20と30のどっちに近い?」と聞くと伝わりやすくなります。寄せたあとは、頭の中でかけて確かめます。
| 問題 | 寄せる | 確かめる |
|---|---|---|
| 178÷29 | 180÷30で6 | 29×6=174。178より小さく、のこりは4。6で当たり |
| 95÷19 | 100÷20で5 | 19×5=95。5で当たり |
| 140÷28 | 140÷30で4 | 28×4=112で、のこりは28。わる数と同じなので5に直す |
| 84÷14 | 80÷10で8 | 14×8=112で大きすぎ。14×7=98も大きいので6に直す |
わる数を小さいほうへ寄せると商は大きめに、大きいほうへ寄せると小さめに出やすくなります。24を20とみた152÷24は大きすぎ、26を30とみた78÷26は小さすぎでした。わる数の一の位が8や9なら当たりやすく、3や4だとはずれやすくなります。
コツ3:一の位が4や6なら、5に寄せる
10や20に寄せるだけでなく、14は15、24は25、26は25とみる手もあります。15や25のかけ算は計算しやすく、一の位が4や6のわる数では、見当がぐっと当たりやすくなります。
| 問題 | 5に寄せる | 確かめる |
|---|---|---|
| 152÷24 | 25×6=150で6 | 24×6=144で、のこりは8。1回で当たり |
| 78÷26 | 25×3=75で3 | 26×3=78。1回で当たり |
| 84÷14 | 15×5=75で5 | 14×5=70で、のこりは14。わる数と同じなので6に直す |
84÷14は、10に寄せると8から2回直しましたが、15に寄せると1回で済みます。
わり算のスピードを上げるのは、実はかけ算です
2けた×1けたのかけ算が暗算で速くできれば、①の見当の精度がすごく高まり、②の確かめ算も速くなります。29×6なら、30×6で180くらい。14×8なら、15×8で120くらいで、84には大きすぎるとすぐわかります。わり算の練習なのに、効くのはかけ算なのです。
まずは、商だけを口で言ってみる
見当だけなら、筆算を書かずに1問数秒で練習できます。上の表の問題で、商だけを口で言うところから始めてみてください。
04 / おうちで見分ける
どこで止まっているかを、
4つの問題で見分ける
ここにある4問を、1問ずつ解いてもらいます。合っているかだけでなく、どの問題で時間がかかるかを見ます。
- 150÷30で止まる:見当の土台です。なん十でわる計算と、九九を逆から使う計算を練習します。
- 24×7で止まる:確かめのかけ算です。2けた×1けたに時間がかかると、直すたびに疲れてしまいます。
- 152−144で止まる:途中のひき算です。繰り下がりのあるひき算を練習します。
- 84÷6で止まる:1けたでわる筆算の手順がまだ身についていないのかもしれません。先にそちらへ戻ります。
- 全部すぐできるのに、2けたでわる筆算で止まる:つなげる手順の問題です。1問をお子さんの横で解いてもらい、消しゴムを使った場所を一緒に見ます。「大きすぎる」「小さすぎる」の見分けから確かめます。
いまの単元にこだわらず、止まっている場所まで戻って大丈夫です。
05 / 計算ダンジョンでは
筆算はノートで。
見当と土台の速さを、ゲームで
計算ダンジョンは、計算問題を解いて冒険を進める、小学生向けの計算練習ゲームです。先にお伝えすると、計算ダンジョンには筆算の書き方の練習はありません。筆算そのものは、教科書やドリルでノートに書いて練習します。
計算ダンジョンでは、①の見当を感覚からわかってもらいたくて、そこを特訓する特別なダンジョンを用意しています。わりざんの城の屋台「見当屋」です。②の確かめ算や、途中のひき算の速さも、ふだんのダンジョンで鍛えられます。
- ①見当(屋台):「かいろう」まで進むと、屋台が現れます。筆算の式を見て、商が立つ位の□に1けたの数を入れる練習です。入門(なん十でわる)、寄せる、直すと順に進みます。遊べるのは最初の7日間と、入団(プレミアムプラン)のお子さんです。
- 見当の土台:わりざんの城の「じょうもんまえ」(□×3=15)で九九を逆から使い、「しゅえいしつ」(3600÷30)で、両方の0を消してなん十でわる計算を練習します。
- ②確かめ算の土台:かけざんの火山の「かこうの ふち」で、2けた×1けたを練習します。
- ひき算の土台:ひきざんの谷で、繰り下がりから3けたのひき算まで練習します。わりざんの城の「げんかんひろま」(17÷3=5あまり2)でも、あまりを出すひき算が出てきます。
- 手順の前の練習:わりざんの城には、84÷6 や 351÷3 のような、1けたでわる計算もあります。
- 1問ごとの秒数は、ゲームが自動で記録します。
土台の速さを、親子で確かめる
まずは、わりざんの城を1回
おためしは登録なしで、ブラウザから始められます。最初の7日間はぜんぶ無料で、そのあとは各ワールドの最初のエリアが無料です。わり算のワールドでは、九九を逆から使う「じょうもんまえ」がそれにあたります。お子さんの止まる場所が見えたら、そこに近い計算から始めてみてください。
登録なしで始める始める前に
よくある質問
商の見当がはずれて何度も消すので、嫌がります。
見当は、はずれて当たり前です。はずれたら1つ直せばいい、と先に伝えておきます。消さずに横に小さく試し算をする形にしても、やり直しの負担は軽くなります。
わる数の見方は、切り捨てと四捨五入のどちらで教えればいいですか?
お子さんが学校で習っているほうに合わせるのがおすすめです。どちらでも、見当がはずれたら直すという流れは同じです。
商の見当を、もっと練習する方法はありますか?
筆算を書かずに、商だけを言う練習が手軽です。計算ダンジョンでは、わりざんの城の屋台「見当屋」で練習できます。最初の7日間と、入団(プレミアムプラン)のお子さんが遊べます。
1けたでわる筆算もあやしいときは、どうすればいいですか?
先に1けたでわる筆算に戻るのがおすすめです。たてる・かける・ひく・おろすの手順は同じで、わる数が小さいぶん、手順そのものに集中できます。
小4の内容:文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」算数 第4学年 A(3) https://www.mext.go.jp/content/1413522_001.pdf