小1の繰り下がりで、手が止まるとき
繰り下がりのひき算で
つまずく小1へ止まる場所は「10からひく」か「十いくつを分ける」
公開 / 文:けいさんパパ(運営:SSR株式会社)
たし算の繰り上がりを越えて、ほっとしたころに出てくるのが、繰り下がりのひき算です。16−9で手が止まる。指を折って、16、15、14……と1つずつ戻って数える。答えは合っていても、1問にずいぶん時間がかかる。
繰り下がりのひき算は、3つの小さな計算に分けると、どこで止まっているかが見えます。
この記事では、繰り下がりのひき算がどんな計算でできているか、お子さんがどこで止まっているかを家で見分ける方法、そこからの進め方を書きます。
01 / 繰り下がりのしくみ
16−9は、
3つの小さな計算でできている
繰り下がりは、小1で習うひき算です
学習指導要領では、小学1年の算数に「1位数と1位数との加法及びその逆の減法の計算が確実にできること」とあります(文部科学省)。16−9は、9+7の逆にあたるひき算です。つまり繰り下がりのひき算は、小1のうちに「確実にできる」ことが目指されている計算です。
「10からひいて、残りと合わせる」
このやり方で、16−9を解くとこうなります。
- 16を、10と6に分ける
- 10から9をひいて、1
- 残った1と6で、7
1つめは「十いくつを、10といくつに分ける」計算です。2つめは「10からひく」計算で、たし算で練習した「足して10になる組み合わせ」の裏返しです。3つめは、小さい数のたし算です。
ひき算なのに、途中でたし算が出てきます。このやり方は「減加法(げんかほう)」と呼ばれます。もう1つ、9を6と3に分けて、16から6をひいて10、10から3をひいて7とする「減減法(げんげんほう)」もあります。教科書会社の指導資料には、一般に減加法のほうが計算しやすく、身につけやすいといわれている、と書かれています。同じ資料には、どちらが分かりやすいかは意見が分かれる、とも書かれています。家では、お子さんが学校で習っているほうに合わせるのが安心です。この記事では、減加法で説明します。
02 / おうちで見分ける
どこで止まっているかを、
3つの質問で見分ける
繰り下がりができないとき、「ひき算が苦手」とひとまとめにすると、何を練習すればいいかが分かりません。上の3つのうち、どこで止まっているかを確かめます。
- 「10−9は?」「10−7は?」 すぐ答えられなければ、2つめで止まっています。先に「10からひく」練習をします。
- 「16は、10と何?」「13は、10と何?」 ここで考え込むなら、1つめで止まっています。十いくつを分ける練習をします。
- 「1と6で?」「2と3で?」 ここもすぐ出るか確かめます。
- 3つともすぐ答えられるのに16−9で止まるなら、3つをつなげる手順がまだ身についていません。手順を声に出して解く練習をします。
1つずつ数えて戻るやり方も、数の入口としては自然なことです。無理にやめさせなくてかまいません。ただ、16−9なら9つ戻ることになり、時間がかかり、数え間違いも起きやすくなります。10のまとまりを使うやり方に、少しずつ移していきます。指で数える足し算から卒業する話は、指計算の記事に書いています。
03 / そこからの進め方
進め方は、
繰り上がりと同じ考え方で
原理を理解したら、後は時間を測ってくり返す。進め方の考え方は、繰り上がりの足し算と同じです。ここでは、ひき算ならではの点だけ書きます。
絵は「10のまとまりから取る」ところを見せる
丸を16個並べるときは、10個のまとまりと、ばらの6個に分けて置きます。9個を取るのは、ばらの6個からではなく、10個のまとまりのほうからです。10個のまとまりから9個を指でかくすと、1個が残ります。その1個と、ばらの6個を合わせて7。ばらから取ろうとすると6個では足りず、ここで「10のまとまりを使う」理由が目に見えます。
数えて戻っていないかは、ひく数を変えて見る
1つずつ数えて戻っていると、ひく数が大きいほど時間がかかります。16−9と16−7を続けて出して、16−9だけ目に見えて遅いなら、まだ数えて戻っているかもしれません。10のまとまりを使って解けていれば、ひく数が大きくても時間はあまり変わらないはずです。答えが合っているかだけでは見分けがつかないので、時間を測って確かめます。
04 / 計算ダンジョンでは
ひきざんの谷で、
3つを段に分けて練習する
計算ダンジョンは、計算問題を解いて冒険を進める、小学生向けの計算練習ゲームです。ひき算は「ひきざんの谷」という世界(ワールド)で、上の3つを段に分けて練習します。
- ワールドのさいしょのダンジョン(ステージ)「たにの みはらし台」は「10からひく」練習です。前半は、ひく数の分を点線の丸で見せる図つき、後半は数字だけで解きます。
- 繰り下がりは「くりさがりの がけみち」というダンジョンで練習します。その手前に、案内役のコーチが出す練習用のステージ(とっくん)が2つあります。「16は 10と □」と十いくつを分ける練習と、さくらんぼの図と丸の図を見ながら、3つをつなげて16−9を解く練習です。
- 「くりさがりの がけみち」の前半(その1〜5)は、16を「10のまとまり」と「ばらの6個」で並べ、10のまとまりの側から9個を点線で消す図がつきます。後半(その6〜10)は図がなくなり、数字だけで解きます。
- 仕上げは「百問道場(一桁引き算の巻)」。10〜19から1けたをひく100問を最後まで解き、目標の110秒に挑みます。「くりさがりの がけみち」の「その5」を「ぎん」以上でクリアすると現れます。
- 1問ごとの秒数は、ゲームが自動で記録します。
記録から
止まる場所を、親子で見つける
まずは、ひき算の問題を1回
おためしは登録なしで、ブラウザから始められます。はじめて遊ぶ日から7日間は、すべてのダンジョンで遊べます。そのあとも、各ワールドのさいしょのダンジョンはずっと無料で、ひき算のワールドでは「10からひく」練習がそれにあたります。お子さんが「10からひく」で止まっているのか、「分ける」で止まっているのかを、一緒に見てみてください。
登録なしで始める始める前に
よくある質問
繰り下がりになると、指で1つずつ数えて戻ってしまいます。
「10−9は?」「16は10と何?」がすぐ答えられるか確かめてみてください。どちらかで止まっていれば、先にそこを練習します。数えて戻るのは自然なことなので、叱らずに、10のまとまりを使うやり方へ少しずつ移していきます。
減加法と減減法、どちらで教えればいいですか?
お子さんが学校で習っているほうに合わせるのがおすすめです。家と学校でやり方が違うと、混乱することがあります。
繰り下がりができるようになったら、もう練習しなくていいですか?
やめないほうがいいと考えています。繰り下がりは、2けたや3けたのひき算でも何度も出てきます。足し算で、速くなってから練習をやめたらどうなったかは、100マス計算の記事に書いています。
学習指導要領の引用:文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」算数 第1学年 A(2) https://www.mext.go.jp/content/1413522_001.pdf
減加法・減減法の説明:啓林館「小学_算数_1年」指導資料 https://shinko-keirin.co.jp/keirinkan/sho/sansu/support/keyseat/data/sansu_1nen2_03.pdf
実測の数字:計算ダンジョン「中身のはなし」(2026年8月22日時点)