小1の足し算で、指を使うとき
指で数える足し算は、
早めに卒業を。「10をつくる」練習で次男が変わった話
公開 / 文:けいさんパパ(運営:SSR株式会社)
指計算は、できるだけ早く卒業させたほうがいい。私はそう考えています
2+3を聞かれて、指を1本ずつ折って5にたどり着く。答えは合っているので、丸つけをすると全部正解です。でも、1問ごとに数えていると時間がかかり、数え間違いも起きます。何より、その先の繰り上がりの足し算に進めません。
もちろん、本当に小さい子が数を数えはじめるときは、指を使ってかまいません。ただ、指計算は慣れてしまうと抜けにくくなります。小学校に入る前の年長さんや小学生になったら、少しずつやめていくほうがいいと考えています。指で数えて時間を使うより、足して10になる組み合わせを、見た瞬間に出てくるまで練習する。そして、本当に速くなったかを時間で確かめる。この記事では、わが家でそうした話を書きます。
「10をつくる」考え方を玉で説明します。
01 / わが家で起きたこと
2+3に、
ものすごく時間がかかっていた
計算練習アプリ「計算ダンジョン」を作っている私は、3人の子の父です。わが家の次男(小1)は、足し算を指で数えていました。
最初に「ドリルをやろう」となったとき、次男は指で数えて解きはじめました。そこからずっと、指に頼るようになってしまったのです。家の計算ドリルは2周以上やりました。それでも計算の速さはまったく伸びませんでした。
7月の後半、「2+3は?」と聞いたときのことです。答えは出るのですが、ものすごく遅い。「嘘だろ」と思いました。これはまずすぎる。そう思ったのが、計算ダンジョンを作りはじめたきっかけです。(このころの話は「ドリルが続かない家庭へ」にも書いています)
02 / やり方を変えた
指計算を卒業するための
3つの材料
ドリルの量を増やしても変わらなかったので、やり方を変えました。効いたと感じているのは、次の3つを同時にやったことです。
1. 絵で、数の量を見る
赤い丸が2個ある絵を見せて、「10にするには、あと何個?」と聞きます。並んだ丸を見れば、足りないのが8個だと目で分かります。数字だけで覚えるのではなく、「2個あったら、8個足すと10になる」という量の感覚と一緒に覚えます。
家でやるなら、おはじきやブロックを10個用意すれば十分です。2個だけ出して、残りの8個を子どもに出してもらいます。
2. 足して10になる組み合わせを、徹底的に
2と8、3と7、4と6。足して10になる組み合わせを、順番を崩して何度も出します。「2と8は仲良しの数」と覚えるくらい、2と言われたら8が反射で出るところまで続けます。
この組み合わせは、繰り上がりの足し算の土台です。ここが数えないと出てこないうちは、7+8のような式も数えて解くしかありません。
3. 時間を測る
「できた」かどうかは、答えが合っているかだけでは分かりません。指で数えていても、答えは合うからです。そこで1問あたりの秒数を測ります。10問をストップウォッチで測って10で割れば十分です。
数えずに答えられるようになると、秒数がはっきり縮みます。逆に、秒数が縮まない組み合わせは、まだ頭の中で数えている合図です。
03 / 答えが10までの足し算
繰り上がりのない足し算も、
同じやり方で
10の組み合わせと並んで、2+3や4+5のような繰り上がりのない足し算も、数えずに答えられるようにします。指で数えていた次男がいちばん時間をかけていたのは、まさにここでした。
やり方は同じです。最初は絵で、2個と3個の丸を並べて「合わせて5」と量で確かめる。慣れたら絵をなくして、数字だけでパッと答える。そして時間を測る。答えが10までの足し算が数えずに出るようになって、はじめて繰り上がりに進む準備ができます。
04 / 計算ダンジョンでは
計算ダンジョンでの練習
この順番を、画面の上でそのままできるようにしたのが計算ダンジョンです。計算問題を解いて冒険を進める、小学生向けの計算練習ゲームです。たし算のワールドは、次の順に進みます。
- もりの いりぐち(10のなかま):赤い丸の絵を見て、10に足りない数を答えます。2個の丸を見て8。絵を見ながら、2と8が仲良しの数だという印象を身につけます。
- どんぐりの こみち(繰り上がりのない足し算):3+5のような1けた同士の足し算です。前半は丸の絵つき、後半は数字だけで解きます。
- くりあがりの とうげみち(繰り上がり):ここから7+8のような繰り上がりに入ります。
どのダンジョンも、前半は絵つき、後半は絵がなくなり数字だけで答えます。1問ごとの秒数はゲームが自動で記録するので、親がストップウォッチを持たなくても、速くなっているかが分かります。
次男はここを繰り返しました。「もりの いりぐち」でもどんどん速くなり、指を使って数えることはなくなりました。足して10になる数は、いまでは私より速く答えます。
05 / 1問あたりの秒数
わが家の記録から
次男(小1)の計算ダンジョンの記録です。最初の3回と直近3回の平均を比べたもので、2026年8月22日時点です。
0.76秒は、見た瞬間に手が出ている速さです。1人の記録なので、伸び方には個人差があります。
06 / この先
次は、繰り上がりの壁
10をつくる練習が速くなると、次男は楽しくなって、たくさん解くようになりました。ところが繰り上がりの足し算に入ると、また壁に当たりました。7+8を解くには、10の組み合わせに加えて「8を3と5に分ける」考え方が要るからです。この続きは、繰り上がりの記事に書きます。
07 / 開発者より
つくり手から
子どもって、いろいろいますよね。親が言えば、わりとそのとおりに動いてくれる子。言っても全然動かない子。逃げ回る子。わが家の3人も、子どもによって全然違います。
計算ダンジョンは、勉強をやらせるのが大変で、しかも計算が苦手な子に、なんとかして効果的に計算ができるようになってほしい。そう思って開発したゲームです。同じようなご家庭の役に立てれば、うれしく思います。
ちなみに、できる子や特に困っていない子も、やれば計算力がつくと思うので、おすすめです(笑)
どの組み合わせで手が止まるかを、親子で見る
まずは、10をつくる問題を1回
おためしは登録なしで、ブラウザから始められます(ゲーム本体のすべてではありません)。はじめて遊ぶ日から7日間は全部のダンジョンで遊べ、その後も各ワールドのさいしょのダンジョンはずっと無料です。お子さんがどの組み合わせで手が止まるかを、一緒に見てみてください。
たし算の練習の中身と、おためし気になること
よくある質問
指で数えるのは、いつまでに卒業すればいいですか?
本当に小さい子が数を数えはじめるときは、指を使ってかまいません。小学校を控えた年長さんや小学生になったら、だんだんやめていくのがよいと考えています。わが家の次男は、ドリルを指で解きはじめたまま頼りきりになり、速さがまったく伸びませんでした。学習指導要領でも、1年生の算数で「1位数と1位数との加法及びその逆の減法の計算が確実にできること」が目標です。
「指を使わないで」と言えば、やめられますか?
言うだけでは、その場で答えは出てきません。数えずに答えるには、もとになる組み合わせが頭に入っている必要があるからです。先に、足して10になる組み合わせと、繰り上がりのない足し算を、絵と一緒に練習するのが近道です。
時間を測ると、子どもが焦りませんか?
人と比べるのではなく、前の自分と比べるために測ります。速くなった数字を一緒に見ると、子どものほうが乗ってきました。速さを意識して間違いが増えたときは、いったん絵に戻りましょう。
出典:文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」第2章 第3節 算数 第1学年 A 数と計算 (2) ア(ウ) https://www.mext.go.jp/content/1413522_001.pdf
実測の数字:計算ダンジョン「中身のはなし」(2026年8月22日時点)