答えは合っているのに、時間がかかるとき

計算が遅い小学生。
遅さの正体は「まだ数えている」こと

宿題の計算プリントに、思ったより時間がかかる。答えは合っているのに、1問ごとに少し間がある。こんなとき、まず疑いたいのは「頭の回転」ではなく、解き方です。

計算が遅い子の多くは、答えを「思い出せず」、まだ数えて解いています。

この記事では、家で見分ける方法と、思い出せる組み合わせを増やす練習の順番を書きます。

01 / 遅さの正体

遅さの正体は、
まだ数えていること

3+5を、「3、4、5、6、7、8」と数えて出す子と、「8」と思い出して出す子がいます。どちらも答えは合っています。でも、数える子は毎回数えるぶん、時間がかかります。

計算が速い子は、たくさんの組み合わせの答えを「思い出せる」子です。計算が遅いと感じたら、まず「どの組み合わせを、まだ数えているか」を見つけるところから始めます。

「数える」から「思い出す」へ移ることが、速くなること

7〜9歳の子ども28人を約1.2年あけて2回調べた研究があります。この間に、子どもたちは数えて解くやり方から、答えを思い出すやり方へ移っていき、答えるのも速くなっていました。そして、思い出すやり方へ大きく移った子ほど、記憶にかかわる脳の部分(海馬)と、ほかの部分とのつながりが強まっていました。調べたのは「一緒に起きていたこと」で、練習すれば脳がこう変わる、と言える研究ではありません。出典はページの最後に書いています。

それでも、計算が速くなるとは「思い出せる組み合わせが増えること」だと考えると、何を練習すればいいかがはっきりします。

02 / おうちで見分ける

足す数を変えて、
時間を比べる

数えているかどうかは、足す数を変えると分かります。

  • 「3+2は?」「3+6は?」と続けて聞く
  • 数えている子は、足す数が大きい3+6のほうが、目に見えて遅くなります
  • 思い出している子は、どちらもほとんど同じ速さで答えます

指が動く、口がもごもご動く、目が上を向いて数えている。こうした様子も目安になります。ひき算なら、「10−2は?」「10−7は?」で同じように比べられます。

03 / 練習の順番

思い出せるまで、
時間を測ってくり返す

  1. まず正しく:数えてもいいので、正しく答えられるようにします。分からないまま急がせると、当てずっぽうが増えます。
  2. 小さい組み合わせから:1けたのたし算・ひき算を、10をつくる組(3と7、4と6など)から順に。指で数えているなら、ここからです。
  3. 時間を測ってくり返す:同じ問題を、時間を測ってくり返します。数えていたら届かない速さを目標にすると、思い出す解き方へ自然に移っていきます。
  4. 前の自分と比べる:1問あたりの秒数(かかった時間÷問題数)を出し、前回より縮んでいるかを見ます。速さを意識して間違いが増えたら、測るのをやめて、正しく答える練習に戻ります。

指で数えている子の練習は指計算の記事、繰り上がりで止まる子は繰り上がりの記事に、くわしく書いています。

04 / 計算ダンジョンでは

「時間を測ってくり返す」を、
毎日続けられる形に

計算ダンジョンは、計算問題を解いて冒険を進める、小学生向けの計算練習ゲームです。

  • 1問ごとの秒数を、自動で記録します。親がストップウォッチを持たなくても、前の自分と比べられます。
  • 目標タイム(ぎん・きん)があります。たとえば1けた+1けたの「どんぐりの こみち」で、ぎんの目安は1問1.4秒。1つずつ数えていては届きにくい速さで、思い出して答える練習になります。
  • 同じ問題セットに、くり返し挑戦します。自己ベストを超えたい気持ちが、くり返しの理由になります。
製作者の家の小1の子は、「10からひく」練習(例:10−9=1)を1回20問で33回くり返し、1問あたり 1.74秒 → 0.83秒 になりました(2026年8月22日時点・最初の3回と直近3回の平均)。1人の記録で、伸び方には個人差があります。数え方はこちら

どの組み合わせを、まだ数えている?

まずは、1回測ってみる

おためしは登録なしで、ブラウザから始められます。はじめて遊ぶ日から7日間は、すべてのダンジョンで遊べます。そのあとも、各ワールドのさいしょのダンジョンはずっと無料です。

登録なしで始める

計算を速くする練習の中身 →100マス計算の目安タイム →

始める前に

よくある質問

速さより、正確さが大事ではないですか?

まず正確さです。正しく解けるようになってから、時間を測ります。速さを意識して間違いが増えたら、正しく答える練習に戻ってください。

解き方は分かっているのに、プリントが全然終わりません。

1問は速いのに全体が遅いなら、問題と問題のあいだで手が止まっているのかもしれません。時間を測ると、止まっている時間も数字に出ます。

何秒くらいなら速いほうですか?

1けたのたし算100問の目安タイムは、100マス計算の記事にまとめています。大事なのは、ほかの子と比べることより、前の自分と比べて縮んでいるかです。

ほかの読みものを見る →

研究:Qin S, Cho S, Chen T, Rosenberg-Lee M, Geary DC, Menon V. Hippocampal-neocortical functional reorganization underlies children's cognitive development. Nature Neuroscience 17, 1263–1269 (2014). https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4286364/

実測の数字:計算ダンジョン「中身のはなし」(2026年8月22日時点)